培養
技術者の転職、というテーマで5回、お話しさせていただきました。オマケとして、本編とはちょっとそれたサイドストーリー?をちょっと妄想してみます。

純粋培養にこだわる?

転職を2回して改めて感じたのですが、世の中には中途採用に積極的な企業と、中途採用をほとんど採らない企業が存在します。全然採らない企業のほうが稀なのですが、ワタクシが思うにそういう企業はえてして、有名な大企業だったりします。
有名な大企業なら新卒の就活において志願者もたくさん集まるし離職率もそんなに高くないので、あえてコストをかけて中途採用をする必要がない、というところでしょうか。
それはそれでいいことかもしれません。むしろ、いわゆる「ブラック企業」で離職率が高すぎて、高校野球もびっくりな、数年で人が総入れ替えみたいな状態のために中途採用にメチャクチャ積極的、という企業のほうがよくないと思います。

新卒で人が集まらない中小企業からすれば、「新卒だけで回してます」と言われるとすご~いなんて思うのかもしれませんが、中途を全く採らないというのも考え物です。
この記事の冒頭で申し上げたように、中途採用をする目的は基本的に、何らかの事情で急いで人材を確保したい、というものです。変化の速いこのご時世、会社にとっても急いで対応したいテーマなんて次から次へと出てくるのが当たり前でしょう。そういう時に、中途採用を全くしないという企業は対応が遅れてビジネスチャンスを逃してしまう危険性が高いとワタクシは考えます。


社内だけで回そうとすると・・・

今あなたが中途採用を全くせず、新卒だけで成り立っている企業にいると想像してみましょう。市場の変化で急いで取り組みたいテーマができたときにどうしましょう?
取れる手段としては「社内公募」のみになります。「こんなテーマをやろうとしています。やりたい方は名乗り出てください」と、社内のイントラネットや壁?かなにかに掲示を出すわけです。
それですんなり人が来ればいいですが、適切な人材はそう簡単に集まりません。仮にその会社が数万人以上の従業員がいる大企業だったとしても、まずそのうち窓際にいる使えないオジサンを排除し(この時点で9割以上が除外されてしまったりして)、さらに今の部門に不満をもっていて移籍を希望している人のみを厳選し、かつその中で新しいテーマにふさわしい能力を持つ人材を・・なんて言ってたら、果たして何人残るのでしょうか。

それよりも、転職サイトに登録している人から探したほうが、所望の人材に出会える確率が高いといえます。「どう考えても使い道のないオジサン」はそもそも会社にしがみつくし、転職を希望したとしても転職エージェントが企業に推薦しません(エージェント自身の信用に関わるので)。転職サイトに登録する人は転職を希望している人だし、個々の能力が明確に文書として書いてありますので判断も容易です。というわけで人材が欲しい企業は、転職エージェントに相談するのがよいと考えられます。

そして意外と重要かもしれないのが、社内から人を抜くにしても「相手がいる」ということです。抜いた人の所属していた部署は人が(それも他部門に抜かれるレベルのレアな人材が)ひとり抜かれて戦力大幅ダウンなわけですので、うまく調整しないといざこざになるかも・・・
(他社から抜く転職の場合は基本的に退職する会社に転職先を告げませんし、情報がオープンになる社内異動よりはいざこざになりにくい・・・はず)

結果的に、社内で募集しても人が集まらず、あるいは微妙な人をメンバーに入れざるをえず、せっかくの計画がとん挫するかごり押しして大失敗するか、という未来が見えます。新規テーマにちゃんと取り組みたいのであれば、お金(サイトへの掲載費や、そもそも転職者に払う給与)をケチらずに外から人を採ったほうがいい、とワタクシは思います。

そもそも、人一人雇うためのコストが惜しいような新規テーマならやらないほうがいいのでは?

窓際のおじさん


今は新規テーマの話ですが、社内で退職者が出た場合はもうちょっと悲惨になります。もともと中途採用に積極的な企業なら「じゃあその分人を採ろう」となりやすいところですが、新卒だけで回そうとする企業は欠員の補充がされません。他部門から抜こうにしても、その部門が困りますからね。
そんなときに、いらないオジサンを抱える他部門の課長さんが迫ってきて「そうか、おたくは人が足りないのか。しょうがないからウチから泣く泣く人を出してあげるよ」とニヤニヤしながら提案してきます。「いや~助かるよ」なんて受けてしまうと、とんでもない事故物件オジサンを引き渡され、残った人の負担が余計に増してしまうなんてことも・・・


純粋培養が「ブラック」を生む?

「働き方改革」が叫ばれる昨今ですが、もともと働き方がおかしい?のはこの「純粋培養」が大きな要因である、とワタクシは思っています。転職がもっと一般的になり人材が流動化すれば、当然ながら複数の会社を経験した社員が増えるわけで、他社と比較して「この会社のここはオカシイ」と思う場面が増えてきます。
しかし、いわゆる「終身雇用」、ここで言う「純粋培養」で固めてしまうと、たとえ世間からみておかしい文化・風習が蔓延していても「これはおかしい」と思わなくなってしまいます。

以上をまとめますと、ワタクシが思うに中途採用を全然しない会社というのは以下の疑いがあります。(これも偉い人が言っているのではなく、ワタクシが勝手に思っている)

:人件費に「投資」という概念がなく「経費」としか思っていない。要はケチ。
:特に新規テーマに対して意思決定が遅くチャンスを逃しがち
:世間から見てあまりに変な文化・風習が蔓延している
:新卒の就活で人気が高く離職率が少ない、極めて優秀な会社である

4だけポジティブな解釈ですが、おそらくそんな会社はないと思います。どんな有名大企業でも一定割合で人は辞めるわけで、社内にありとあらゆるニーズに沿う人材がそろっている、なんてことはあり得ません。まず1~3を疑いましょう。

ブラック企業


最後に。「ブラック企業」という言葉がポピュラーになっていますが、ブラック企業が存続する理由はそこに勤める従業員だと、ワタクシは思っています。社長一人では会社は成り立ちません。「ブラック企業」の従業員が全員辞めてしまえば、ブラック企業は消滅するのです。従業員が劣悪な環境でも我慢して辞めずに働き続けてしまうから、ブラック企業が存続するわけです。

ワタクシは転職を勧めるわけではありませんが、転職が活発になることで少なくとも社会全体がいい方向に向かってくれるのではないか、と期待しています。ではまた。




はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   

【文責 べじぱみゅ】