地道に1種類ずつ!

ガチャの計算をするにあたり「全部等確率」という縛りをかけましたが、それでもいきなり「全部コンプリートするには何回引けばいい?」と考えようとすると手がつけられません。地道に問題を分解していきましょう。いきなり全部を追うのではなくまずは、「1種類ずつ手に入れていく」と考えましょう。

ガチャの開始時点では何も景品を持っていません。そこから1回目のガチャを引くと、当然「まだ持っていない景品」が手に入ります。しかし2回目以降では話が変わり、「自分がすでに持っている景品」がある確率で出現してしまいます。

たとえば1種だけ持っている状態でガチャを引くと、1/Nの確率でかぶります。それは極めて運が悪い状態ですが、すでに半分(N/2種類)をもっている状態でガチャを引くと、1/2の確率でカブるわけです。そしてラスト1歩手前、N-1種類までコンプリートした状態で最後の1種を狙いに行くと、お目当ての景品が出る確率は1/Nしかなく、ほぼカブります。

つまり回数を重ねるごとに「カブらないやつを当てる」のがだんだん厳しくなってくるわけです。

この1種類ごとに「当てるのに必要な回数」を考えてみましょう。
全N種類のうち、あなた?はすでにk種類を手元に持っているとします(kは1からN-1までの数)。この状態で次のk+1種類目の景品を当てるのにm_k回を要する確率は

ガチャ_式1

となります。この式の意味は明確で、最初のm_k -1回は「カブる景品」を引き続け(確率k/N)、m_k回目で晴れてカブらない景品をゲット(確率1-k/N)、ということです。

ではk+1種類目を当てるまでに要する回数の「期待値」を計算してみましょう(前回さんざんダメ出ししましたが、一応参考程度に)。期待値を出すには、ある値になる確率とその値を掛け算して足せばいいです。「重みづけ平均値」と呼ぶべきですね。

ガチャ_式2


一見複雑な式ですが、シグマの部分はわりとスッキリ表現できます(ちょっとテクニカルですが)。無限等比級数の式

ガチャ_式3

の両辺をrで微分すると

ガチャ_式4

こうなります。この式でr=k/Nとしたものがさっきのシグマですので、結局

ガチャ_式5

こうなります。途中の計算式はそれなりに面倒でしたが、最終的にはだいぶスッキリしました。

この式の意味はすごく明確です。k種までコンプリートした状態だと、カブらない景品を当てる確率は1-k/N=(N-k)/Nです。よって平均すると、当てるまでにはその逆数の回数を要するのです。
具体的な例だと、半分コンプリートした状態(k=N/2)だとカブらない確率は1/2で、回数の期待値は2回。N-1種コンプリートした状態だと、カブらない確率は1/Nで、回数の期待値はN回、となります。イメージ湧きましたか?
(ちなみにk=0、つまり「何も持ってない」とすると確率は1、回数の期待値も1になります)

今は「k種までコンプリートした状態」を考えました。N種コンプリートするにはこれをk=0, 1, 2, ・・・, N-1までコツコツ頑張る必要があります。というわけで全部コンプリートまでの回数期待値は

ガチャ_式6


となります。それぞれの項が1種類目、2種類目、3種類目、・・・N種類目を当てるのに要する回数期待値です。
実際にExcelなんかで計算するには、前後をひっくり返してこう表現したほうがやりやすいです。

ガチャ_式7


さて、期待値の議論はこれで終わりです。たいした難易度ではなかったでしょうか?
ただ冒頭でも申し上げたように、ここでは「確率分布」をキチンと求めます(ここからはかなり数学のレベルが高くなります)。具体的には、

N種類をコンプリートするのにk回を要する確率

の式を求めます。いきなり全部を考えても手が付けられないので、ここでも1個ずつ地道にやっていきましょう。それは次回の記事で・・・



はっぴぃ理系らいふ、いぇい

ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ   

【文責 べじぱみゅ】