ガチャの「確率分布」は?

さて、せっかく「公式」を求めたので具体的に確率分布の例を見てみましょう。まずはとりあえずN=10、景品の種類を10種類とします。

 ガチャ_図1

 
確率分布と、確率の累積値を示しました。ここでは1種目を当てるための最初の1回をちゃんと足して表示しています。

10種類コンプリートする最速の回数はもちろん10回ですが、それは確率としては無に等しく、実際は20~30回ぐらい必要だ、というのがわかります。
確率累積値のグラフを見るとその辺の「運のバラつき具合」がわかります。20回でコンプリートできる人は「運が上位2割」ぐらい、37回でコンプリートした人は「運が下位2割」、と言えます。両者をまとめると、

10種類のコンプガチャを引き続けると
6割ぐらいの人は20回~37回でコンプリートする

みたいな言い方ができます。

ちなみに期待値でいうと、10種の場合29.3回、となります。ただやっぱり、単に「期待値は29回」とだけ言われても「分布の実態」がよくわかりません。(累積)分布のグラフを見て「6割ぐらいの人は20回~37回でコンプリートする」と言われたほうがより「実態」を把握できると思います。

ちなみに、P(10,k)の「最大値」はk=23回のところです。「期待値」は確率に回数を掛け算した「重みづけ平均値」であり、確率が最大になる点とは微妙にズレるものです、別に計算がおかしいわけではありません。


安室ちゃんガチャはどうなった?

さて、いよいよ本番?です。今回の対象である安室ちゃんガチャ(N=121)の場合をグラフにしてみます。

 ガチャ_図2
 

N=121の場合、期待値は650ぐらいです。つまり「平均的には」650回ぐらいでコンプリートできるのですが、ちゃんと「分布」を見ましょう。ここでも下の「確率累積」を見ます。N=10のときと同じように「運の上位2割」「運の下位2割」で基準をつくると、

121種類のコンプガチャを引き続けると
6割ぐらいの人は520回~760回でコンプリートする

といえます。もっと広めに、「上位1割」「下位1割」で表現すると

121種類のコンプガチャを引き続けると
8割ぐらいの人は480回~850回でコンプリートする

という具合です。

「最悪のケース」を考える?

重ねて言いますが、みんなが650回でコンプリートできるわけではないですよ!
企業の製品品質検査のように、ここでも「ワーストケース」を考えてみましょう。つまり「平均的には」ではなく、「確実にコンプリートするためには」という基準を考えます。
ガチャはタダではなくお金がかかるわけですから、「平均的にこのくらいの費用が発生する」よりも「最悪いくらまで支払う可能性がある」という値を考えておくのはいいことだと思います。

「確実に」という基準を決めなければなりませんが、たとえば「9割の人がコンプリートする回数は?」という意味なら、850回ぐらい、となります。
もっと神経質に「99%の人がコンプリートする回数は」とすれば、1130回ぐらいです。もし1130回やってコンプリートできなければ、あなたは世間のなかで運勢が下位1%未満だ、ってことです。

さて、今回はN=121でしたが、最後にいろいろなNの値(景品の種類)について、コンプリートする回数期待値の推移を見てみましょう。

 ガチャ_図3

まあこのグラフでもいいのですが、もっとわかりやすい指標として「景品種類の何倍の回数が必要か」がいいと思います。上のグラフの縦軸の値を、横軸の値で割って表示しなおせばいいのです。こんな感じです。
 

ガチャ_図4

これを見ると、100種類ぐらいのガチャをコンプリートするには、だいたい種類数の5倍ぐらいの回数が必要だ、といえます。これを多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、とにかく「コンプリートしたかったら、だいたい5倍の回数が平均的に必要だ」と思っておくことが重要でしょう。9割の人がコンプリートする回数、はこれよりもっと上ですよ!

ガチャはほどほどに。


はっぴぃ理系らいふ、いぇい

ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ   

【文責 べじぱみゅ】