べじぱみゅ流受験物理の立ち向かい方。前回の「光」に続き、メジャーなテーマである「力学」からひとつ例を。

「万有引力と単振動」(2005年 問1)

問題

さらっと書いてますが大事件ですよ。いくら天下の東大といえど、地球に勝手に穴をあけることなんて許されません!マジメな受験生はこういう問題が出ても「解かなきゃ解かなきゃ」と必死なのでしょうが、ぜひ「んあアホな」とニヤっとする余裕が欲しいところですね。

どういうモチベーションで解くか

ブラジルの人聞こえますか~~~~????

前回の「薄膜」とはうってかわってファンタジーな設定になっております。なので前回のような「役に立つ話」に変換して世界に入っていくのは難しいです。どうしてもブラジルに向かって小球を投げ込みたいテロリストの方はマジメに取り組んでもいいですが、マジメな受験生の方々はムリでしょう。

ワタクシが思うに、この問題を解く意義(解くことで得られる糧)は

1:「逆2乗則」の特性を学ぶ
2:エキセントリックな状況にめげずに立ち向かう訓練


あたりかと思います。まずは1つめを解説し、次回で問題自体の解説、そのあと2つ目について解説しましょう。

「逆2乗則」について

この問題、設定自体はエキセントリックですが、今後物理学を学んでいく上で重要なエッセンスが詰まっています。それは問題文にさらっと書いてあるこの文章です。

「地球の中心Oから距離rの位置において小球が地球から受ける力は、中心Oから距離r以内にある地球の部分の質量が中心Oに集まったと仮定した場合に、小球が受ける万有引力に等しい」

これ実はメチャクチャすごいことです。実際の入試ではこの事実をあっさり受け入れて急いで解く必要があるのですが、ここではちょっとだけ寄り道して考えてみましょう。それが「逆2乗則」です。

物理学ではよく「距離の2乗に反比例する力」が登場します。代表(2大選手?)が万有引力静電気力です。それぞれ式で書くと

逆2乗則の力

こうなります。G, kは定数で、rは距離です。この2つ、全く同じ形をしています。なので「性質」についてもいろいろ同じです。こういう「逆2乗」の力について、大学で習う積分をマジメにやるとこういうことがわかります。

その1:質量の分布が一様ならば、同じ質量の球体と「点」がつくる重力は同じ!(球体の外で観測した場合)

等価な2つ

その2:質量が一様に分布した球殻内部のどこにも、重力は発生しない!

球内部


この2つです。なかなか素晴らしい性質なのですが「距離に反比例する力」がうまくバランスしてこうなっているのです。計算は質量を微小領域に分けてマジメに積分すればあっさり?できますのでご興味があればどうぞ。

この2つから、問題文の文書が出てきます。小球がトンネル内部にいるとき、

・そこよりも内側の部分から受ける重力は、同じ質量の「点」がつくる重力と等しい
・そこよりも外側の部分から受ける重力は、相殺してゼロになる


こういう状態になるのです。これはもう「奇跡」としか言いようがないです。この性質のおかげでいろいろな計算がさらっとできちゃいます。ワタクシは電気屋さんなので、万有引力よりも静電気のほうで、この性質にお世話になっております。「電荷が一様に分布した球殻の中には、静電気力は発生しない」みたいな特性を使います。

高校生の段階では有難味がわからないと思いますが、今後物理をもっと勉強しよう、という方は「逆2乗則」というフレーズだけでも頭の片隅に置いておいてください。さて、次回で普通に?問題の解説をします。




はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   

【文責 べじぱみゅ】