スクールカーストではない

いかにも意識高そう?な本を紹介。今回はこちら。

BoPビジネス戦略


タイトルは「BoPビジネス戦略 ―新興国・途上国市場で何が起こっているか」です。その名のとおり、「BoPビジネス」についていろいろ解説したものです。ちょっと前の本ですが、いまだに「BoPビジネス」と検索するとこれが上位に来るようで、この分野の名著?なのでしょうか。BoPとは「Base of Pyramid」のことで、悪意をこめて直訳すると「ピラミッドの底辺」です。

日本社会でも、はたまた学校のなかでも様々なピラミッドが存在します。この本で言う「底辺」とは世界規模で見たガチの底辺のことで、1日1ドル以下で暮らしているような、本当に貧しい国の人々のことです。

そんな貧しい人たちは、普通の感覚では企業にお金を払ってくれる、金儲けの相手にはなりえません。野球の球団を保有する某通信大手は定期的に牛丼やチキンを配給することで知能レベルの低いお客様(日本におけるBoP)を麻痺させて、高い通信費を巻き上げることで儲けていますが、そういうことではありません。悪徳商売の参考にはなるでしょうけどね。なんか昔、欧米の金持ちがアフリカかどっかの子供にお菓子をあげる代わりに、その子が持っていたダイヤモンドだかなんだかの塊をもらった、みたいな伝説がありましたが、それと似てるのかな?

情けは人の為ならず

そこは発想を変えて、彼ら/彼女らの「発展を支援」し、企業も儲かるしお客様の生活がより豊になるようなWIN-WINのモノ/システムを売っていこう、というお話。どうしてもインフラの話が多めになりますが、いわゆるインフラではない「衛生用品」みたいな事例も取り上げられています。それも結局「発展を支援する」という意味ではインフラに属するのかもしれませんが。

ビジネスの解説本というより、ワタクシの感覚では哲学書に近いです。世の中のほとんどの人はワタクシを含め、経営者や会社の重役ではなく権限のないヒラの方がほとんどですので、これを読んですぐに何かビジネスを起こす、という話にはならないと思います。ただこの本の「思想」は大切にしておいてほしいところです。

従来のビジネスでは、メーカー(達)の独りよがりの性能競争が行われ、「ウチのが一番だからお前らはこれを買え!」という姿勢でビジネスが行われていたと思います。消費者のほうもオツムがイマイチだったのか、メーカーのいう「いいもの」を、必要性も考えず進んで買ってしまっていたので、ビジネスがちゃんと?成り立ってしまっていたのでしょう。

しかし現在はもう、その姿勢ではビジネスはできません。いろいろなメーカーで

「すごいんだけど、それ必要?」

みたいな製品がたくさん出てきて、売る側の業績が落ち込んでしまったり。

この本は270ページにわたり、BoPビジネスの事例と解説を述べていますが、実際はBoPビジネスといってもそれほど特殊な発想が必要というわけではなく(「治安の悪い国では無料トイレより有料トイレのほうが好まれる」みたいな日本とは違う感覚があるので、そこは押さえないといけませんが)、結局のところ

ニーズを捉える
WIN-WINの関係をつくる

が全てといえます。これは何もBoPビジネスに限らず、日本みたいな「BoPでないビジネス」にも共通します。

この本を読んだ方には、ビジネスは「関わった人がみんな発展する」ことが大前提だ、ということを感じていただければと思います。バリューチェーンのなかで誰か一人だけが儲けて他の人が疲弊する、という仕事は長くは続きません。

そしてもし牛丼やチキンの配給を楽しみにしているスマホユーザーの方がいらっしゃいましたら今すぐ、違約金を払ってでも解約していただければと思います。

行列

ちなみに「情けは人の為ならず」はよく誤解されるフレーズです。字面の感じから「情けは人のためにならない(大きなお世話だ)」という意味に取れてしまうのですが、実際は「その情けはいつかめぐりめぐって自分に返ってきます」という意味です。「役不足」とかもそうですが、言葉って難しいですね。



はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   

【文責 べじぱみゅ】