「技術職」といっても・・・

以前の記事転職活動についてお話しました。その関係で追加で考えたことを少し。

世の中には「技術職」という仕事がたくさんありますが、「技術職」と一口に言っても内容は様々です。ワタクシが勝手に思っていることですが、大雑把に分けるとこんな感じです。

技術のお仕事構造?

下2つはおもに大学で、上3つはおもに企業の仕事です。上下の配置は、下に行くほどいわゆる「アカデミック」「基礎的」で、上に行くほど最終製品に近く「営利追及」の度合いが強くなることを表します。もしくは「教科書の知識をそのまま使う度合い」と言ってもいいかもしれません。なんとなくなので厳密ではありません。

現在のところ日本の大企業は「新卒」を重視しているようであまりしてません。とくに春~夏にかけて、世の中の新入社員の嘆きが聞こえてきますが

「専攻と全然関係ない部署に配属させられた」
「どうでもいい研修がいつまでも続く。早く仕事したい」


などなど。これらは大企業の(少なくとも人事を司る人たちの)

・大学で学んだことには期待していない。会社入って学ぶことのほうが大事。
・若手は「即戦力」とは見ていないし将来の幹部候補とも見ていない。

・数百人取って、そのうち何人かがまともになってくれれば十分。

という姿勢が見えます。これは早急に正していく必要がありますが、残念ながら現状こうなので若手社員は「自分の志望部署/業種には就けない可能性が高い」と認識しておかなければなりません。

そこまでネガティブな話でなくとも、特にこれからはある若手社員が定年まで一つの会社の一つの部署で勤め上げる、というケースはかなり稀になるでしょう。というわけで、会社におけるいろいろな仕事を知っておくのは有用です。

どうしても研究開発!!

一般的には理系院卒の新入社員は漠然と「研究開発」を志望することが多いでしょう。それも「製品」や「材料」などの「モノつくり」に関する研究開発。さっきの図の青に相当します。新卒の時点で緑の分析技術や、紫の品質関係などを志望する学生はレアですね。化学などの研究室でマニアックな分析評価技術を研究していたり、数理工学?みたいな研究室でいわゆる「管理工学」「OR」などを研究していた学生に限った話でしょう。

この辺は自身の「キャリアプラン」と大きく関連してきます。これまた私が勝手に書いた図ですが。

技術のお仕事と安定性?

さっきのお仕事階層図と「スターになれるか」「安定性はあるか」を私が独断と偏見で評価したものです。

やっぱりメーカーでは青の「独自技術の開発」が一番偉いです。まさに「発明」を次々と生み出すお仕事ですから、スーパースターになりやすいと言えます。特許収入でお金持ちになれたり、お金以外にも「あの製品はオレがつくった」と胸を張れます。

その横で緑の分析・解析技術や紫の品質保証関係のお仕事(営業はまた特殊ぽいですが)はどちらかと言うと「縁の下の力持ち」の色合いが強く、あまり「スーパースター」になれそうな印象はありません。もちろん大事な仕事であることは明らかなのですがね。

私の偏見ですが、「品質」のお仕事は確かにスーパースターにはなれないと思います。会社を維持していく意味では発明よりもむしろ重要だったりしますが。特に昨今、多くの企業で品質偽装などの問題がよく報じられていますので、品質屋さんの重要性はさらに増していくと考えています。

ちなみに私はまさに「品質」の資格である「QC検定」1級を持っていますがなかなか面白い内容ですし、もし「研究開発」を志望していた学生さんが「品質保証部」などに配属されたとき、決して落ち込まないでください。あまり言いたくはないですが「研究開発」は予算と締め切りに追われ、技術について十分にアタマを使えないことがあり、品質保証部門のほうが逆に「技術」に真剣に取り組めたりします。

ダメな企業では違いますが、まともな企業では品質保証部門は「非営利部門」なのでお金のことを(それほど)考えず、純粋に技術のことを考えることができます。

実はスーパースター?

そして「分析・解析」ですが、こっちについてはスーパースターになれる可能性が十分にあります。多くの大手企業は分析・解析部門を持っていますが、もちろんただ単にいろいろな部門の分析・解析依頼を受けるだけでは絶対にスーパースターにはなれません。ただし「分析・解析技術の研究開発」を積極的にやるなら話は別です。

・これまで見えなかったものを見えるようにする
・これまで測れなかった量を測れるようにする
・これまで計算できなかった現象を計算できるようにする


みたいな話は、ヘタしたら(ヘタしなくても)「モノ自体の研究開発」より影響範囲が広く「スーパースターが憧れるスーパースター」になれる可能性すらあります。ノーベル化学賞を受賞された田中耕一さんの例を出すまでもなく、世の中には「分析・測定技術」のスーパースターが山ほどいます。

配属になっても「本当はモノの研究開発がしたかったのに」なんて嘆く必要は全くありません。むしろモノの開発より「アカデミック寄り」なことが多いので、ウキウキになって仕事してください。

技術のお仕事と安定性?


もう一回図を載せます。今述べた仕事内容自体の話に加え、図の右側「安定性」も重要です(不透明な時代とはいえ、やっぱりね・・・)。以前の転職に関する記事で述べましたが、技術開発の仕事は細分化され(すぎ)ていて「つぶしが効かない」ことが多いです。私も1度目の転職のとき、マニアックな(廃れつつあった)技術開発の経験しかなかったためマッチングがとれず非常に苦労しました。

技術開発は(わかりやすく)スーパースターになれる可能性が高いことと引き換え?に流行り廃りが大きく、突然職を失うリスクが高いということを頭の片隅に置いておくのがいいと思います。(なのでそうならないように、あまり視野を狭くせずに広く勉強を欠かさないように!)

この中で「品質」「分析・解析」あらゆる製品に共通の知識・スキルが多いため「つぶしが効き」やすく、突然職を失うリスクは低いと言えます。経営悪化などで急に部門が消滅しても、次の職は比較的見つけやすいでしょう。私も2回目の転職のときはこっち寄りの仕事をしていたので、スムーズに転職活動ができました。

さいごに

さて、いろいろお話しましたが、これだけ見ると「スーパースターの開発か、安定の品質か」みたいな二元の選択話になっちゃいそうですが、実際は多くの若手社員に配属部門の選択権が無いのと、仕事なんて徐々に変わっていくということから結局「どこに行っても楽しんで頑張りましょう」という姿勢が大事です。

一番愚かなのは、「どうしてもモノの研究開発」と意気込みすぎて他の「品質」や「解析」部門に配属になったときに「これはオレの仕事じゃない。転職だ!」となってしまうことです。もちろん合わない仕事を何十年もやる必要はないのですが希望の部署でなかったとしても、ちょっとぐらい楽しんでやってみれば?と思うのです。もともとの志望も勘違いで、実は他の部門のほうが性に合ってた、という可能性もありますし。人生長いです。いろんな仕事やりましょう!ではまた。



はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   

【文責 べじぱみゅ】