*注意)この「べじぱみゅの学習メモ」のカテゴリー記事は、ワタクシ自身がこれまでに勉強したいろいろな項目について、テキストにあんまり書いてない内容などを勝手に妄想したメモです。
ワタクシ自身の備忘録のために書いており「初学者にわかりやすく説明する」というものではございません。
導入なしに唐突に話が始まり、おそらく意味不明な文章かもしれません。
しかし、せっかく考えたことなので、記事の内容がもし誰か1人でもお役に立てれば幸いです。

なんとかして「実体」と対応できない?


これまで述べてきた「交互最小二乗法」、そしてその拡張「交互最小x乗法」は、多くのデータ解析法のなかで比較的意味がわかりやすく有効なツールなのですが、私は数学屋さんではなくどちらかというと物理屋さんなので、できることなら「実体」とリンクさせたほうが気持ちいいのです。

もちろん交互最小二乗法で扱うデータ自体は、何らかの「実体」に対応したものなので、それでいいといえばいいのですが、もう一声、というところ。「偏差のx乗和を最小化する」という操作自体を何らかの物理的実体と対応させられないか、と妄想しています。

改めて「交互最小x乗法」が最小化しにいく関数をじーっと見てみます。

偏差の絶対値のx乗和

番号ijに対応するデータと、それを「少数で近似」したものとの差の絶対値のx乗ですね。シグマの中にある「偏差の絶対値のx乗」を、ちょっとプロットしてみましょう。

ペナルティの形

こんな感じですね。中心点からズレるほど「ペナルティ」を受けるわけです。というわけでこれ、そのまま「ポテンシャルエネルギーの谷」と思えばいいでしょう。何らかの力によって中心点付近に束縛された小球とか電子とか。それが各ijの位置にいる、と思えばいい。

このうち「2乗」は例えばフックの法則に従うバネですね。バネなら「身近に」存在しますが、それ以外のxに対応するポテンシャルは、簡単にはつくれなそうですね。ただ「小球を閉じ込める」という話なら「実際にそういう形の谷」をつくればいいですかね。摩擦のない谷なら、谷の形状がそのまま位置エネルギーになります。たとえば文字通り「V字谷」をつくれば中心位置からのズレによる「位置エネルギー」がそのまま |ズレ| の形になります。

怪しい「結晶」

任意の |ズレ|^x の関数形をもつポテンシャルは、なかなかパッとは出てきませんが、エイヤで「原子に束縛された電子」を考えましょう。原子のポテンシャルってr=0で「∞」になるのが一般的ですが、それこそあの「擬ポテンシャル」のような話で、遮蔽やらなんやらがうまく働いた結果ポテンシャルの関数が |r|^x の形になった(r=0で有限値に収束)と自分をムリヤリ納得させます。


位置ijの原子と電子

こんなイメージです。原子が座標(x=i, y=j, z=d_ij)に浮かんでいます。その原子1個に対してz方向のみにそこそこ自由に動ける電子1個が付随している、と考えます。こういう電子と原子のペアがびっちりと、IxJ個いる、とします。

全位置の原子と電子
こんなイメージですね。それぞれの原子は原子の中心からあるΔzだけズレていますが、それによって|Δz|^x の「ポテンシャルエネルギー」を持っています。

さて、この電子IxJ個を「何らかの力」で変位させます。遠隔操作なので「電界」がいいかと思いますが、ちょっとまやかしで「原子のポテンシャルエネルギーを簡単に振りきれる電界って何やねん」となっちゃいます。ここは私の無学で、交互最小x乗法にぴったり対応させる物理的実体の操作が浮かびません。


電子の位置を縛る

こんなイメージです。赤緑青の謎の「フィールド」が発生しています。2つの「波形」の掛け算の位置に、各電子を移動させます。赤が「c_i1」と「sj1」、緑が「c_i2」と「sj2」、青が「c_i3」と「sj3」に相当します。実体が何かはわかりませんが、電子を強制的に移動させる強力なフィールド波形です。

この謎のフィールドによってIxJ個の電子は、z座標がΣciksjkに移動させられます。結果としてこの電子系全体で、原子によるポテンシャルエネルギー

偏差の絶対値のx乗和

が発生することになります。この系全体のエネルギーを最小化するように、さっきの謎のフィールドの「波形」を決めましょう、というのがまさに「交互最小x乗法」に対応します。

系の「安定性」?

ポテンシャルエネルギーの「形」が変わると、上記「系のエネルギー最小化」の様子が変わります。改めて関数の形を書いてみます。

ペナルティの形

|x|^2 はバネに対応する「普通の」ポテンシャルエネルギーです。中心からズレることで「ほどよく」ペナルティが課されるわけで、エネルギー最小化に対応する「波形」も割とキレイに決まります。

|x|^0.5 は中心から少しでもズレると一気にポテンシャルエネルギーが高くなります。この状態だと「系全体のエネルギーを最小化するフィールド波形」はぱしっと決まりません。「少しでもズレたらぶち殺すぞワレコラ!」状態で、こっちを補正すればこっちが破綻(ある電子を原子付近になるように波形を調整すると別の電子が原子から離れエネルギー急増)という状態になってしまいます。なんか結晶自体が壊れそう。

逆に|x|^4 や、もっと高い次数乗だと原子から離れてもペナルティが課されず、いわば「オレ知らんから適当に決めといてよ」という状態になり、やっぱり「最適なフィールド波形」がパシっと決まりません。会議でもそうですが、それぞれが強すぎる要求を主張しあってても、逆に全員が何も主張しなくても結論は出ないのです。

こんなところでしょうか。ちなみに今回はΔzの「正負」に意味づけをしなかったので、ペナルティも「対称」な形でした。場合によっては「正にズレるのは構わないが、負にズレるのは絶対に許さない」という縛りをかけることもあります。何をしたいかによっていろいろです。深いです。


はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   

【文責 べじぱみゅ