*注意)この「べじぱみゅの学習メモ」のカテゴリー記事は、ワタクシ自身がこれまでに勉強したいろいろな項目について、テキストにあんまり書いてない内容などを勝手に妄想したメモです。
ワタクシ自身の備忘録のために書いており「初学者にわかりやすく説明する」というものではございません。
導入なしに唐突に話が始まり、おそらく意味不明な文章かもしれません。
しかし、せっかく考えたことなので、記事の内容がもし誰か1人でもお役に立てれば幸いです。

能書きはこれまで!


前回まで、交互最少二乗法の「追加縛り」の能書きを述べてきました。今回からはそれを実践していろいろ考えてみましょう。題材はなんでもいいのですが、ヤクルトファン代表としてこれ。

製品


つば九朗の画像を考えます。これを各種合金で生成した「コースター」のようなものを考えます。それぞれの領域の組成は

黄色部分(鼻と嘴)                 :Fe合金
青色部分(帽子)                       :Co合金
紺色部分(目の周りと輪郭)   :Ni合金
赤色部分(口の周り)      :pezzottaite(赤い鉱物)
白色部分(目の周りとYSマーク):moonstone(月長石:白い鉱物)
黒色部分(周囲)                          :トルマリン


で構成したことにしましょう。どうやって?という質問はなしで。
それぞれの細かな組成はこんな感じです。

もとの組成

なかなか複雑ですね。こういう、ぱっと見で把握できない状況には今回の交互最小二乗法を含む多変量解析が有効です。

このコースターに関して面内の元素マッピングを取り、縦128点、横128点の計16384点ごとに元素組成のデータが得られたと仮定します。(上記で述べた組成に、わざと適当なノイズを混ぜたデータにしました)もとは大量の数値データなわけですが、ここに通常の交互最小二乗法を適用します。初期値としては以前の記事でも述べたように、主成分分析の固有ベクトルを非負化したものを用いました。

まずは普通の最小二乗法

「追加縛り」なしの交互最小二乗法の結果はこんな感じです。分布は左上から成分1、2、3。下段左から成分4、5、6です。

分布(ALS)

それぞれに対応する「元素組成」(スペクトル)は以下のとおりです。

スペクトル(ALS)


成分としては6個得られました(というより、7個目以降は主成分分析の時点で固有値が小さいのでカットしました)。まずマジメに眺めてみましょう。

成分1は目と輪郭で強い分布を示しており、O, Siが主要な成分のようです。白色部分の組成であるmoonstoneの組成をそのまま反映しています。黒色部分のトルマリンも割と近い組成であり、その影響かこの成分1はトルマリン部分にもわずかに分布を示しています。

成分2は帽子に分布しており、Co, Cr, Fe, Niの順に多い組成を示しています。青領域のCo合金の組成ほぼそのまま反映していますね。

成分3は顔の周囲に分布しており、Oを主成分とし、H, B, F, Al, Feが含まれています。黒色の組成であるトルマリンの組成がほぼそのまま反映されています。

成分4は口の周りに分布しており、Li, Be, Csが含まれています。もとの6種類の材料のうちpezzottaiteのみに含まれる3元素が現れています。pezzottaite自体の主成分はO, Siですが、これは他の材料にも含まれるためここの成分には目立って現れず、他の成分に混じっています。

成分5はいろいろ混じっていますが、おもに目の周りと輪郭に分布しており、YSマークや目にも分布が見られます。元素としては全体的にノイジーですが、特徴はMo, Wです。Mo, Wは紺部分(目の周りと輪郭)の材料であるNi合金、黄色部分(鼻と嘴)の材料であるFe合金に含まれるもので、それが反映されています。ただスペクトルがかなりノイジーであり、他の成分ほどはっきりした分布を示してはいません。

最後の成分6は、はっきりと鼻・嘴に分布しており、N, Taが含まれています。両者とも黄色部分(鼻と嘴)の材料であるFe合金のみに含まれる元素であり、そのことを見事に反映しています。

通常の交互最小二乗法を適用しましたが、なかなかリーズナブルな結果です。この作業自体もまだ改良の余地はあるのですが、今回の本題はここから「追加縛り」を課したときに何が起こるか、なのでここでいったんやめます。また次回。



はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   

【文責 べじぱみゅ