たまには悪口ばっかり書いてみる

悩む

以前の記事で述べたように、私は転職を2回経験しています。つまり会社を2回辞めているわけですが、ただただ不満を募らせていた時期を超え、転職から時間が経った今、改めて「なぜ辞めようと思ったか」を整理してみます。悪口だらけの記事になり不快な内容かもしれませんが、今転職を考えている方の参考になればと思います。2社目の話は別に触れるとして、今回の記事では新卒で入った1社目の話をします。

以下、不満(つまり、転職に至らせた)度合いの大きい順に記載していきますが、不満にもいろいろなカテゴリーがあります。私がイメージするのはこんな感じです。

A:その会社ならではの不満要素(他社ではそれが発生しにくいと考えられる)
B:その部門/課(業務内容)ならではの不満要素(同じ会社でも、他の部門なら不満が解消するかもしれない)
C:個人的な不満要素(自分の上司がゴミクズだ、など)
D:日本企業に一般的な不満要素(外資に転職すれば不満解消の可能性がある)


理屈の上では、(別の日本企業に)転職を検討すべきなのはAだけです。ただ私が思うに、実態としてはBとCでも転職理由になります(面接で通るかは別にして)。異動願いは制度として存在していても実際に通るとは限らないし(私の周りでは叶ったケースを見たことない)、特定のゴミ上司を飛ばしてもらうのも実際には難しいです。というより、ゴミ上司がいつまでも上司の立場にいられる、ということは組織自体に何らかの問題があるわけで、一見カテゴリーCだと思ってもカテゴリーAだったりします。

Dについては、私は外資に勤めたことがないのでわかりませんが、日本企業でも会社によって「旧態依然の日本企業っぽさ」は変わるので、日本企業への転職理由としてもアリかもしれません。それでは、辞めた理由ランキングを書いていきます!

1位:不正をやらされた(カテゴリーAかB)

理由はいろいろあれど、これだけで十分トドメに値する要素です。詳細は以前の記事で書きましたが、試験でNGになった製品について「大丈夫です」というレポートを書かされたり、基本的に品質を偽る仕事を何回も指示され、それを3年ぐらい続けているうちに良心を病んでしまった、というのが最終的に転職に向かわせた最大の理由です。

これは組織の「品質軽視」の文化(ただし当時の職場も表向きは「品質第一」を掲げていた)が大きく効きますが、それでも会社とはあくまで営利団体ですので、経営状態とは切り離せません。私が在籍していた当時、その会社の経営状態はかなりマズい状態にあり、結果としてどう考えても無理なコストダウンの要求が上から来ていました。普通にやったらそれは実現できないのでどうやるか、というと普通でないことをします。抜いてはいけない部品を抜いたり、省いてはいけない工程を省いたり。当然品質は危険な水準になるのですが、上司やそのまた上司に「このコストダウンはすでに経営計画に織り込み済みだぞ。君がその分の額払うてくれるんか?」と言われたら、当時の私含め普通の若手社員は何も言えません。

ちなみにこのランキングに「経営状態が悪かった」は直接的な理由としては入ってません。若手の技術者はえてして経営に興味がない人も多く、「経営の悪さ」を直接の理由として辞める人は実は少数派かもしれません。私もよく「経営が悪かったから辞めたのですか?」と聞かれますが違います。経営が悪かろうが、自分のやりたい技術開発ができるならなかなか辞めようとは思いません。ただし上記のように、経営の悪さから無茶な仕事が多発していたことを考えると、間接的に「経営の悪さ」が辞める理由になっていたかもしれません。

ちなみに嘘レポートには上司と私のハンコが押してあります。不具合が出る頃にはもう上司は会社におらず、私が責任を取らされるのが目に見えていました。なので「異動」ではなく「転職」をする必要があったのです。異動なら同じ会社なので、最悪の場合辞令で元の部署に戻される可能性があります。退職して別企業にいればそういう心配はありません。

2位:技術の仕事ではなかったから(カテゴリーAかD)

これはBtoC大企業一般にありがちな要素です。最終製品を扱う大企業では実は、「技術開発」をほとんどやらずにただ部品を買ってきて組み合わせるだけ、だったりします。組み合わせに妙がある場合もありますが、多くの場合製品の品質を根本から上げようとすると部品(材料)そのものを高品質化しないといけません。

私はまさに部品を組み立てるだけで、これといって組み合わせの妙もない製品を担当していました。そこで品質を改善する場合は部品(材料)納入メーカーに連絡をして開発をやってもらうことになります。結果ありがたいことに、私が在籍中にいくつかの品質を上げることができましたが、ハッキリ言って私は何もしていません。ただ部材メーカーにメールを出して何回か打ち合わせで「改善しました」の報告を受けただけです。

こういう仕事ばかりが続くと「いったい自分は何のために大学院まで行って勉強したのだろう」と毎日悩むことになります。私も一応博士号まで取っていたので、せっかくなら何か専門知識を使う仕事をしてみたいな~と思っていまして、この日々はかなり苦しかったです。

こういう「最終製品の担当技術者が何も開発をしない」という事態を揶揄して「パワポエンジニア」という言葉があります。私はまさにこれでした(私はパワポすらほとんど作りませんでしたが)。ではそんなパワポエンジニアは月~金まで会社に来て(しかもけっこう残業して)何やってるのかというと、メーカーに依頼して試作してもらった部材で最終製品の試作サンプルをつくり(これすら量産ラインを借りてやるので自分の仕事は書類書きとハンコもらい行脚のみ。でもけっこう大変)、それを劣化試験にかけ、試験後に測定を行い結果をまとめ部材メーカーにフィードバックする、というもの。ハッキリ言って理系である必要すらありません。むしろハンコもらい行脚があるので事務系の人のほうが向いてるかもしれません。

「どうしても技術開発がしたい!」という方は、最終製品を扱う部門(会社)はおススメしません。パワポエンジニアになってしまう可能性大です。

3位:自分のせいで取引先を傷つけてしまったから(カテゴリーAかB)

これは2位の「パワポエンジニア」と関連します。一般にパワポエンジニアを擁する?企業というのはパワーバランスの頂点にいて、部材納入メーカーに対して「ウチが買わなくなったらお宅はどうなるかわかってるのかい?」と強気に出れます。前職でもそういうシーンは多々あり、一番つらかったのはある部材について、ずっと納入してくれていたメーカーの仕様を他のメーカーに横流しし(←いろいろ問題)、もっと安く作らせて元のメーカーを切ったときです。

とある政治的な理由で別メーカーへの切り替えは上層部で決定済みであり、あとは何か理由をつけて元のメーカーを切る必要があったのですが、最終的には「お宅の部品使って量産ラインで不具合出た」を使いました。実際に不具合が出たのは事実なのですが(さすがにそこまで捏造はしない)、その不具合って別にその部材に関係ない箇所のものだ、とまともな技術者ならすぐわかるものでした。私は上司から「不具合出たからお宅切るから」と電話をかけさせられ、メーカー担当者に電話をかけました。

相手の方もバカではないので「いや、これまでも納入していましたよ。不具合出たって何かの間違いじゃないですか?」と抵抗してきましたが、私は(後ろで上司が私をにらんでいた)「いや、これはお宅の部材のせいです」と言い張って納入を切りました。大人なのでその場で泣きはしませんでしたが、私の心はズタズタでした。

あとはいろいろ

この3つでもう十分すぎるくらいですが、あとは細々した理由です。メインどこではないので以下簡潔に列挙します。

4位:新卒研修が山奥での洗脳研修だったから(カテゴリーA)
詳細は書けませんが、ひたすら叫んだり馬騰されたり、などいろいろ。

5位:直属上司がゴミ上司だったから(カテゴリーC)
普通にセクハラし放題、偽装指示、ついでにいわゆるアスペ。人が苦しい表情をしているのがわからなかったり、お情けで呼ばれた部下の結婚式で「今日が雨でよかった。昨日ゴルフだったので昨日だけは勘弁してほしかった」と堂々といい放ったり。

6位:マンション買うときに勤務先を書いたら融資を断られたから(カテゴリーA)
詳しくはこちらの記事をご参照ください。

7位:新卒の後輩が夏に入って秋に辞めたから(カテゴリーB)
もともと離職率は高く先輩社員はゴロゴロ辞めてましたが、新卒がすぐ辞めるとかなり焦ります。

8位:新卒の洗脳研修が配属後もあったから(カテゴリーA)
新卒だけのお祭りみたいなもんかと思ったら、定期イベントかよ!

9位:なんでも紙だった(カテゴリーA)
毎日の会議(生産現場の報告)のたびに大量の紙が配られていました。有給取った次の日には休んだ日の大量の紙資料が机の上に置いてありました。もう次の日の資料あるのにいらねえよ。

10位:(今更だけど)希望の部署ではなかったから(カテゴリーB)
もともと博士最終年に、ある開発部署の偉い人と話し合いしてそこの部署に所属する、という約束(しょせん口約束だけど)で採ってもらったけど、半年の研修の後配属当日になって全然別の部署行きの辞令が出た。そこからその偉い人とは顔を合わせることはなかったが、辞める直前になって訪ねてきて「すまなかった」と謝られた。私は何も言えなかった。


最後に、いい所?も

ここまで延々と悪口を書いてきました。ここまで書くと「そんなに嫌ならすぐ辞めればいいじゃん」と思われるでしょう。でも私は結局4年半も勤めてしまいました。その理由、つまり「転職を最後まで思いとどまった理由」も書いておきます。こっちも転職の参考になるでしょう。

・なんだかんだ給料/待遇はまともだった
経営が悪かったですが、それでもその辺のブラック中小よりは給与が高く、また有給もちゃんと取れました。私は取ってなかったけど。

・分野自体は博士の研究内容と同じだった
「開発」に関する部署ではなくどちらかというと日々の工場の不具合に対処する部門でしたが、製品自体はもともとやってた研究内容に関連するもので、愛着はありました。

・同期は優秀だった
先輩社員はゴミばっかりでしたが、同期は「会社を何とかしよう」という人ばかりで、頑張ればなんとかなるかもしれない、という期待はありました。

・転職の優先順位がプライベートより下だった
これはリアルな理由です。当時の私の中で人生の優先順位が「結婚」&「家購入」であり、「転職」はそれより下でした。例えばローンを組む時には勤続年数が評価されるので、転職したてでは組めません。
婚活最優先で3年ぐらいかかり、結婚&家購入を終えたので、心おきなく?転職活動を始めました。


以上です。ちなみに退職面談のとき上司からは「給料が不満なのか?」などと聞かれましたが、私は給料が不満だなんて一言も言ってません。むしろあなたに不正やメーカーへの縁切り電話をさせられたことが最大の不満だったのですがね!

幸い転職を2回繰り返し、今はちゃんと技術の、頭をフルに使う仕事をさせてもらっています。前職の悪口だけで長くなってしまったのでここで止めますが、実際には

パワポエンジニアから、どうやって技術のお仕事に変われたのか

が重要と思います。それはまた別の機会にまとめます。よろしくお願いいたします。



はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   

【文責 べじぱみゅ】