更新滞っておりすいません。本業が楽しくてつい土日も没頭してしまっております。そんな中でお勉強した、本の紹介をさせていただきます。本日はこれ!

誰が読むべき?
タイトルこそ「マテリアルズ・インフォマティクス」となっていますが、別に「材料屋さん」に限らず、広く「機械学習」を使ってみたい人向けの入門書といえます。具体的には、いわゆる「データサイエンティスト」のような「機械学習ガチ勢」になる気はさらさら無いけども、自身の業務にとりあえず機械学習を使ってみたい人、が対象です。
そういう「とりあえずユーザー」になろうという方が(私もまさにそれですが)「よし、機械学習のお勉強するぞ!」と意気込んで「機械学習」やら「データサイエンス」などと銘打たれたテキストを買ってみるわけです。しかし数学のお話ばかりで(機械学習はまさに高度な数学なので当たり前といえば当たり前ですが)息切れしてしまう、あるいは大学の線形代数などをちゃんとわかっている人でも「まあ理屈はわかったけど、で?」となってしまうことも多いでしょう。
「機械学習ガチ勢」の世界から、我々?数学よわよわマンが日々対峙している機械学習を使ってみようかな~という業務までは、けっこう遠いのが実情です。この本はよわよわマンをかなり強く意識しており、「で?」にはまずなりません。
どんな内容?
前半で理論の概要を平易に述べ、後半では実に豊富な応用事例(材料開発)が書かれており、「なんかすごい手法なのはわかるが、前例はないのかね?」という前例大好きジャップにかなりご満足いただける内容かと思います。ご自身の業務に機械学習を応用する、割と具体的なイメージができることでしょう。
その分ガチ勢からしたら理論面ではかなり薄~い内容かもしれませんが、まずは慣れてみて使ってみて、徐々にガチ理論のお勉強を進めていけばいいと思います。
多少実践して成果をあげて、課題も見えてきた段階でガチ理論のテキストを買ってお勉強をしたほうが、いきなりガチ理論に突入するより身になるでしょう。
個人的な感想
これは入門書なので根っこには「機械学習の敷居を下げる」という狙いがあるはずです。私も読んでみてまず思ったのは「機械学習ってそんなに特別なことじゃない」です(もちろんとても便利なんですがね)。著者の狙い通りの感想を抱かされてますね。
良くも悪くも昨今の「AIブーム」により、会社でも偉い人が「AIで/機械学習で何かできないのか?」と大号令が飛んでいたりするでしょう。(十年前はとにかく「量子」と書けば予算が下りたりした。。。)
でも機械学習といってもカテゴリーがいろいろあります。それこそ「実験データをExcelで直線フィットする」というおよそ「機械学習」「AI」とかけ離れたように見える作業も、直線フィットの結果を「未知の結果の予測」に使うのであれば立派な機械学習です。
そこからちょっとずつ、サポートベクターマシン、ディープラーニングのようにより複雑なモデルを構築する(一方で解釈が少しずつ困難になっていく)手法に進んでいけばいいと思っています。
さっきの偉い人に「はい。線形回帰したよ。機械学習だよ」とでも言おうものなら「ふざけるな!私は機械学習をやれと言ったんだぞ!」とブチ切れるでしょう。
一般ピープルのいう「機械学習」はほぼ「ディープラーニング」のことを指している気がします。実際にディープラーニングはどんどん進化しているので今後「何にでも使える」ようになっていくかもしれませんが、それでも問題によって最適な手法があることを意識しましょう。
本当に(簡単にルール化できないなど)ディープラーニングが推奨される、ってパターンも多々ありますが、ケースによっては、普通に解析式で表せる問題(つまり解釈容易性が最強)に対してもわざわざディープラーニングを用いて「最先端をやった感」だけ出して解釈容易性を落としただけ、みたいなこともあったり。。。
余談が多くなりましたが、この本、私のような数学よわよわ&ガチ勢目指さないマンに是非読んでいただき、積極的に機械学習にトライしていただきたいと思います。ではまた。
はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
【文責 べじぱみゅ】
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