ボール投げ


もしも、この世に空気がなかったら 

せっかく物理に興味を持ったのに、ちょっとボールを投げようとしただけでゲームオーバー。
それではあんまりです。
そこでか弱い高校生の皆さまに少しでも物理の世界に触れていただくために大人たちが取った方法は

もしもボックスを使う

というものです。
ボールを投げる話で言うと、もしもボックスにこんな問いをします。

・もし、この野球場に空気がなかったら?(じゃあ選手がどうやって呼吸するんだ?という話は置いといて)
・もし、選手が投げるボールがすべて無回転だったら?
もし、重力だけが現実世界と同じように存在していたら?

こんな感じです。こうなると、ボールには重力だけが働く、というありえないぐらいの単純な状況なります。

もちろん、そんな状況は現実にはあり得ません。
この状況はあくまでもしもボックスで作り出した幻想です。
でも、ボールを取り巻く状況が単純になれば(つまり重力のみが働いている)、か弱い高校生でもなんとか計算できる状態になるのです。

しかし、当然次のような疑問をもたれるでしょう。

そんなありえない状況を計算して、現実世界の役に立つのかよ!?

ごもっともです。
これに対するべじぱみゅの回答としては

意外と役に立つから安心しな!

です。

さっきのボールの話で言うと、重力しかないもしもボックス幻想世界でか弱い高校生が計算した軌道と、スーパーコンピューターで計算した現実世界の軌道は、多くの場合そんなにズレません

その理由をざっくり言うと

ボールに働く力の「大きさ」は、重力>>空気抵抗 だから

といったところです。
とりあえず重力だけの効果を計算しておいて、もし不十分だと思ったら空気抵抗の効果をサブとして足せばいいのです。

※全盛期藤川球児のストレートの軌道、とかは残念ながら高校物理では計算できません。
重力に匹敵する?ぐらいの縦スピンにまつわる力があるからね。


物理教科書のもしもボックスの世界は確かに幻想ですが、現実世界の現象についての大きなヒントが得られる、ほどよい幻想世界です。
ちゃんと役に立つので安心してください。

「もしもボックスだ」と言えばいいのに 

問題なのは、今お話した「物理の教科書はもしもボックスの幻想」という話が十分に説明されないことです。
物理の先生は長年幻想世界に住んでいるので、幻想世界で起こる出来事(空気がなく重力だけが存在している、とか)が常識になってしまっています。
でもそれは、現実世界に生きる高校生にはちょっと(だいぶ?)不可解なものです。

教科書にも「ここが幻想世界である」とは書いていません。
いきなり幻想世界で起こる出来事の話を当たり前のように始めてしまいます。
そのせいで、多くの方が「?」となってしまう、とワタクシは考えております。

教科書の最初に、こんな感じのことを書いておけばいいのです。

~~~~~~~~~~~~~~~~
今からお話しするのは、もしもボックスが作り出した幻想世界の出来事です。
ただし、現実世界について大きなヒントを教えてくれるありがたい幻想世界です。
~~~~~~~~~~~~~~~~

こうやって物理トークを始めれば、か弱い高校生の戸惑いが若干減ってくれるのでは、と思います。


はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   
【文責 べじぱみゅ】

次回予告 

次回、
物理って結局「センス」なんでしょ?(6)   は12月13日 AM7:00公開予定!!
こちらから!! 
公開され次第、リンクがつながります。