ローラー

力をかけなくても、止まらない?
 

もしもボックスの作り出した幻想世界では、ボールや荷物などがどのように「運動」するか、についてこんなことを言われます。
(詳しくは後日、解説記事を書くので今は理解できなくて大丈夫です)

F=ma 

「F」は「力」です(Forceの頭文字)。 
「m」は「質量」です(Massの頭文字)。 
そして「a」は「加速度」です(Accelerationの頭文字)。 

この式が言っている一番大事なことは

①質量が大きなモノを加速させるには、大きな力をかけなければならない
②力をかけないと加速度がゼロ(速度がゼロとは言ってない)
➂力を大きくすると加速度が大きくなる(速度が大きくなるとは言ってない)


①については異論ないと思います。
問題は②➂。これが日常感覚・経験・先入観と合わないのです。 
(物理に慣れてくれば、むしろこれまでの先入観のほうが間違ってるとわかってくるのですが) 

まず②。多くの人の日常感覚は 

力をかけなかったら、止まる。 

だと思います。
何かを動かしたかったら力をかけ続けなければならず、サボってしまうと減速して止まってしまうというのが、皆さまのこれまでの経験だと思います。
でも物理の教科書様が仰るには力をかけないと「加速しない」だけであって「止まる」わけではないだそうです。
ちょっと感覚ズレてますね。
 
「力をかけないと止まる」は誤解なの? 

私たちが「力をかけなかったら、止まる」と感じているのは、現実世界は摩擦だらけだからです。
ざらざらな地面はもちろんのこと、「空気抵抗」だってあるし、この地上で「モノに力が全く働いてない」という状況は皆無なのです。 

地面でボールを転がすと、もちろんだんだん減速してそのうち止まります。
これはボールに「摩擦力」が働き続けているからであって「力が働いていないから止まる」ではないのです。

もしもボックスの幻想世界では、空気抵抗などの、運動を邪魔する要素を(仮想的に)排除しています。
だから、力をかけない場合ジャマが入らず、いつまでも進み続けるのです。

みなさんが思っている「力をかけなかったら、止まる」は、いろいろな要素が複雑に絡み合う現実世界では確かに正しいです。
ただ以前の記事で申し上げたように、現実世界の出来事は複雑すぎてまともに計算できません。
そこで一旦幻想世界に逃げて、そこで計算して「ほぼ正解」の答えを出します。
その「ほぼ正解」の答えを現実世界でのヒントにする
のです。

なんかこの話、虚数のときの死神の話と似てますね。

力をかけ続けると・・・? 

「力をかけなかったら加速しない」ということですが、逆に「力をかけ続けたら加速し続ける」となります。
これも日常感覚と合わないですね。
むしろ 

荷物を一生懸命押し続けても加速なんてせず、ずっと同じスピードで進んでいく 

というのが日常感覚だと思います。
これも「摩擦」のせいです。
現実世界で「押してるのに加速しない」理由は 

押してる力と摩擦力が拮抗していて、プラマイゼロになっている 

からです。
もしもボックス幻想世界では運動を邪魔するモノがないので、押したら押しただけ加速していきます。 

現実世界でもわりと近い状態はつくれます。
氷でもなんでもいいのですが、つるっつるの床の上でつるっつるの氷を押すことを考えてみましょう。
最初だけちょっと押せば、あとは押さなくても進んでくれるし、押し続ければどんどん速くなります。
ただ、氷が速くなるのに合わせて押すあなたも速くなる必要があるので、実際には、同じ力で押し続けることは不可能だと思います。 

現実世界の常識は、幻想世界の非常識? 

今挙げたのは一例ですが、力学をやっているとほかにもいろいろと、日常感覚と合わないことが出てきます。
それは本当に「誤解」なこともあるし、不幸にも現実世界では正しいけど幻想世界では間違い、という場合もあります。

いずれにしても、まともに物理をやっていこうとすると、教科書に書いてあることが自分の経験・先入観と合わなくても泣く泣く受け入れざるを得ない場面が多々あるのです。

はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   
【文責 べじぱみゅ】

次回予告 

次回、
物理って結局「センス」なんでしょ?(9)   は12月16日 AM7:00公開予定!!
こちらから!! 
公開され次第、リンクがつながります。