説明がわからない

加速度をどう教えたらいいのか

重要なのでしつこく言いますが、物理の「真理」をシンプルに表現するのに「加速度」は必須です。
この「加速度」がかなりクセモノだと思います。
たとえば「10m/sで進む車」と言われたら、なんとな~く映像をイメージできると思います。
しかし「2m/s2で加速する車」と言われても、どういう動きなのか映像が頭に出てこないと思います。
ワタクシも正直出てきません。
これについてはイメージできなくてもしょうがないので、当面黙って受け入れるしかないと思っています。

この「加速度」をどうやって教えるべきなのか、いまだにワタクシも悩んでいます。
教科書やいろいろなテキストでは、今お話しした「力と加速度」の話をする前に「加速度」単体で登場させて、説明が始まります。
いろいろな考えはあるのですが、ワタクシはあんまりこのやり方はおススメしていません。
前回までにお話しした「真理」である「F=ma」が言っていることは

力をかけると加速する

なのですが、逆に言うとこうなります。

力をかけないと加速しない

つまり、押したり引いたりしないのに加速するのはありえません。
モノが加速した、ということは必ずそいつに何かの力がかかっているのです。
というわけで、「力」抜きで加速度単体でお話を始めるのは、「力がなくても加速する」みたいな
余計な誤解を生みそうなのでイヤです。
そこでワタクシの記事では、いきなりモノを押してみて、その結果を分析していくなかで加速度を登場させる、という方式にしてみました。
このやり方がいいかどうかは正直わかりません。

覚えるのは「F=ma」のみ!

さて、たったひとつの式「F=ma」のみについてすさまじく長い説明をしてきました。
ひとつの式についてこれだけ解説するのはさすがに今回だけです。
それだけ重要で、物理学すべての基礎になるから回数を割きまくったのです。
(後日「エネルギー」の式を話すときにもそれなりに長い説明をする予定ですけどね)

ただ一方で、力学では「覚えなきゃいけない式」は基本的には「F=ma」1個です。
たとえば数学の三角関数なんて、公式何十個も出てくるのですが、力学はたった1個。

あとは前回お話しした、力がかかった結果、加速度aで加速したときに

等加速度運動の式

モノの位置と速度はこうなる、ぐらい知っておけば十分です。
とにかくF=maをじっくり脳みそにしみこませてください。
そのあとは練習問題でもなんでも解いて叩き込みましょう。


本当にそれ以外は不要なの?

そうは言っても、教科書には「F=ma」以外の式もたくさん出てきます。
もちろん全部身につけられるのなら身に着けてほしいところですが、身に着けておかないと今後の物理が全滅するのは「F=ma」だけです。
他は、最悪難しいと思ったら無視して構わないと思っています。
それの代表が「作用・反作用の法則」
要は「押したら必ず同じ強さで押し返される」というもの。
簡単な例ならなんとかなるかもしれませんが、深く考えようとするとドツボにはまります。

たとえば、机の上に置いた荷物に重力が働いているというのは、みなさん割と納得していただけると思います。
しかし重力と同じ大きさの力で、荷物は机から押されている、と言われると「?」かもしれません。
さらに、荷物が重力で引っ張られるのと同じ力で、逆に荷物が地球を引っ張っている、なんて言われたら「何言ってんだこいつ頭おかしいのか」となるかもしれません。

これらの話は確かに正しいのですが、初めて勉強する人にとってはなかなかとっつきにくく、しかもその後の高校物理の他の分野であんまり出てきません。
(この次のテーマのとき一瞬だけ出てきますが、そのときまた説明するのでご安心を)

本当は理解しておくといいのですが、ここに悩んで物理からドロップアウトするぐらいなら、一旦無視して進んでいいと思います。
とりあえず他の分野を一通り勉強して物理に十分親しんだ後で、もう一度挑戦してみるのがよいでしょう。

教科書では天才ニュートンの「3法則」として

①慣性の法則
②運動の法則
③作用/反作用の法則

が紹介されます。
これらはニュートンが運動についてひたすら考えまくった後、キレイにまとめたものです。
今言ったように③は最悪忘れてもいいです。
②は今回のメインテーマ「F=ma」のことです。

そして①は実は、「F=ma」の特別な場合です。
「力がなければ加速しない」という意味ですので。

というわけでやっぱり「F=ma」だけあればそんなに困らない、といえます。


物理の教科書ってさ・・・

以前別の記事で、日本の教科書はコンパクトすぎる、と文句を言いましたが、高校の教科書もしかりです。
特に物理の教科書は、少ないページ数にすべての公式をもれなくキレイに詰め込もうとしている、とワタクシには見えます。そのせいで、

・どれが重要な式でどれが最悪忘れていい式なのかがわからない。
・重要な式の説明も不十分。


ハッキリ言って、物理の教科書って読んでも意味のない書物になっていると思います。
このブログを始めるにあたって、最近ワタクシも高校の物理の教科書を読み返したのですが

マジで意味がわからない!

説明が短すぎて、書いた人は本当に理解させる気があるのか、と言いたい。
初めて勉強する人が、そんなポイントだけつまんだ文書を見て理解できるわけない。
もっと泥臭く勉強しなきゃいけないと思います。

今回は「F=ma」の式たった一つを、延々と説明しました。
意味もわからずこの式を暗記して演習問題に時間を割くぐらいなら、同じ時間と手間を「式の意味・成り立ち」の理解に割いたほうが何倍もタメになると思います。
期末テストの点数は上がらないかもしれんがね。

べじぱみゅ流の物理は、こんな感じで進めます。
教科書や参考書で触れていない、「そもそも」のところをガッツリお話していこうと思っています。
うっとおしいとお思いになるかもしれませんが、それだけ重要なことなので、是非お付き合いいただければと思います。

はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   
【文責 べじぱみゅ】