裁判

運動量と運動エネルギー、どっちが正しいの?

さて、ボールを押し出す「時間」と「距離」、2つを用いた「労力」を考えました。
今出てきたふたつの式

2つの労力

は、以前の記事で「発見」した究極の真理「F=ma」から数式いじりで導いたものです。
別に、新しい実験をして発見したものではありません。
(だから「なぜ?禁止」と書いてないのです。書き忘れではありません)
2つの式は、もとの真理「F=ma」を、別の角度で言いかえただけです。

力学の黎明期に、ニュートン様を含む偉い物理学者の方々がこの2つの式をめぐって「どっちが正しいのか」なんて議論を繰り広げたそうです。
「運動量を使うべきだ!」派と「運動エネルギーを使うべきだ!」派に分かれて争ったらしいです。
しかし、後でわかったことですがどちらも所詮は「F=maの言い換え」に過ぎません。
だからどちらが正しい/間違いだとか偉い/偉くない、というものでもありません。

無理やり例えるなら「時給」「月収」「年収」のどれを収入の指標に使うべきか、みたいなものです。
結局どれも収入の指標だけど、注目しているポイントが違うだけ、ということ。
何を知りたいかに応じて、使いやすいものを選べばいいのです。

「FT」(力積)と「FX」(仕事)どちらも立派な「労力」の指標です。
それらとイコールの「運動量」と「運動エネルギー」のどちらも立派な「殺傷能力」の指標です。


か弱い高校生は絶対迷う!

物理の教科書や授業では、どうもこの辺の「運動量」と「運動エネルギー」の位置づけがかなり曖昧になっていると思います。
とりあえずいろいろな問題が出てきて、その問題ごとに

・この問題は運動量(保存則)を使って解くのです
・この問題は運動エネルギー(保存則)を使って解くのです

と言われ、よくわからないままパターンを暗記しているのが実情ではないでしょうか。

ちなみに今回のデッドボール問題は、運動量を使って解くのが有効です。
それは単に「そうするとやりやすいから」です。
別に運動エネルギーを使って解いてもいいし、何ならどっちも使わず「F=ma」だけを使ってもその気になれば解けます。
ただ、後者2つを使おうとすると超めんどくさくてわかりにくい、というだけのことです。

この議論については、問題集の解説を書く人や学校・予備校の先生に肝に銘じてほしいところです。
人によっては今回のデッドボール問題をエネルギーを使って解きたくなるかもしれません。
しかしそうしようとすると、先生がへぼい人だと「それは間違いだ。運動量で解きなさい」と言われてしまいます。
言われたほうは何が間違いなのかわからないまま悶々とし、物理をあきらめて文転してしまうのです。

あくまで「間違い」ではなく「それでもいいけどやりにくいからやめたほうがいい」と言ってあげるべきです。

そうすれば言われた方も、そんなに悶々とすることなく続けられると思います。
この話、実はワタクシもこの記事を書いていて初めて気づきました。
高校当時の、物理が得意だったワタクシも全然わかっていませんでした。
物理、難しいですね。


さて次回は、デッドボールを「運動量」の観点からもっと調べてみましょう!


はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   
【文責 べじぱみゅ】