前回避けたけども・・・

さて、F投手の手から離れたボールの「殺傷能力」を考えました。
「mv」「1/2mv^2」の2種類の指標があるのですが、ここでは前者を使います。
(しつこく言いますが、あくまでそうするとやりやすいから、というだけです。後者でも「間違い」ではありません)

無事に?F投手の手から放たれたボールが打者にぶつかるシーンを考えましょう。
これを高校物理でモデル化するとこんな感じ。

デッドボール


mはボール、Mはバッターの質量です。当然m<<Mですがね。
ここで重要なのは、両者が「ぶつかっている間」に何が起こるか、です。
それを考えるには「究極の真理」のときに「最悪忘れてもいい」と言った「作用・反作用の法則」をちょっとだけ使います。
ちょっとだけです。ごめんなさい。

「反作用」って?

「作用・反作用の法則」を簡単に言うと
「押したらその分押し返される」というもの。

これ、なかなかとっつきにくい概念です。
荷物を押すのでもエレベータのボタンを押すのでもなんでもいいですが、何かを押しているところを想像してください。
「オレが押しているんだ!押し返されてなんかいない!」と思うかもしれません。
それは誤解です。ちゃんと押し返されています。

手で何も押していないときには、その通り何も感じません。
でも何か押しているときには「押している」感覚があり、「何も触れてない」ときとは明らかに違いますよね。
それがまさに「押し返されている」のです。というわけで

何かを押すと、同じ力で押し返される! (*「なぜ?」禁止)

という「真理」が存在します。「F=ma」ほどの究極感はないのですがね。
人間が何かを押そうとするときは、押し返されてもいいように「踏ん張る」から押し返されるのを感じないだけです。
踏ん張りがきかない場所(氷の上とか、空中?とか)で何かを押すと、見事に押し返されて後ろに吹っ飛びます。


デッドボールで運動量はどうなる?

さて、いろいろ喋っていますが今回のメインテーマは

デッドボールのときのボールの跳ね具合で選手の重症度を瞬時に判断する

というものです。いよいよメインどころへ入っていきます。
前回、ボールに込めた「労力」とボールの「運動量」の関係として

FT=mv

という式を紹介しました。
しつこく言いますが、込めた労力(左辺)が運動量(右辺)になるのです。
この運動量とやらが、デッドボールによってどうなるかを考えましょう。
ボールとバッターが接触している間のことを考えると

衝突の瞬間


こんな感じです。
当然、ボールはバッターに当たることでピッチャー方向(上図左方向)に押されます。
そのとき、同じ大きさの力でバッターはピッチャーと反対方向(上図右方向)に押されるのです。

ボールがバッターに接触している時間T'としましょう。
「T」だとボールを投げたときの押し出し時間と紛らわしいので「T'」とします。
(たぶんT'は0コンマ何秒とかの世界です)
時間T'の間、ずっと一定の力F'でボールとバッターが互いに押されるとしましょう。
「F」とすると投げるときの力と紛らわしいので「F'」とします。

ボールとバッターが互いに押し合う力の大きさは等しいので、
ボールを投げたときの議論と同じノリを適用すると、

・ボールはピッチャー方向に「F'T'」の「労力」を受ける
・バッターはピッチャーと反対方向に「F'T'」の「労力」を受ける

ということになります。
例の「FT=mv」は、かけた「労力」が「運動量」の源になる、という意味です。
ボールとバッターがそれぞれ同じ「労力」を逆向きに受ける、ということは、デッドボールによって

ボールの「ピッチャー方向の運動量」が増えた分と
バッターの「ピッチャーと反対方向の運動量」が増えた分がイコール

ということになります。

さて次回は、この「運動量」の「保存」について突っ込んでいきます!


はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   
【文責 べじぱみゅ】