今回は、グロ画像は出てきませんのでご安心を。
お風呂そうじ


コントロールできるものとできないもの

今回で実験編はラストですが、ちょっとだけ深い話を。
現実問題としてダンナの「浮きすね毛」に悩む人にとって

「冷水にして新聞紙ですくえ」

と言われても困ってしまうかもしれません。

すね毛を除去しなければならないシーンは、おもに2つあると考えています。

1:先にダンナが風呂に入った後、奥様がいざ入ろうとするとき
2:後にダンナが風呂に入り、浴槽の水を抜こうとするあるいは洗濯に使おうとするとき

1の場合、基本的に水を冷やすことはできません。
あなた?はすでに服を脱いでおり、今すぐに湯船に入りたいのです。

この場合、(イヤかもしれませんが)湯船をぐわんとかきまぜてなるべく毛を表面におびき寄せ、新聞紙あるいは虫取りアミですくい上げるしかありません。
今回の結果より、どうやらお湯の場合毛が沈みやすいようなので、かき混ぜずに表面付近だけを狙っても効果は薄いと考えられます。
取りきれなかった底のほうのすね毛が、あなたが入った瞬間に牙をむくかもしれません。キャー。

もしくは、今回検証しきれませんでしたが「奇跡の入浴剤」みたいなものがあり、それを入れることで毛が表面に出やすくなる、なんてことがあるかもしれません。

いずれにしても

お湯の中ですね毛はあんまり水面に出てきてくれず、水面に新聞紙を置くだけではうまく取れない

ということを意識しましょう。あとは気合です。

2もけっこうあるケースでしょう。
毛がうじゃうじゃ浮いたまま水を捨てたり洗濯に使おうとすると、毛が排水溝やホースにつまったりしていろいろ問題が出るので、できることなら除去してから次の工程に移りたいところ。
この場合は、風呂から上がって時間をおけば水が冷え、より効率的にすね毛を回収できます。
逆に、洗濯に使おうとするなら入浴剤を入れるわけにはいきませんね。

1・2いずれの場合も、新聞紙を回収するときにそのまま持ち上げるのではなく、うま~く折りながら「すくい取る」のが重要です。
新聞紙とすね毛の接着を過信してはいけません。


「原因追究」と「対策設計」の違い

最後に、文系の方も含め、是非意識してほしい話です。
むしろ理科オンチの人よりも「マジメな理系人」こそよく陥りがちなワナかもしれません。

今回の実験の意図はあくまで「原因追究」です。
すね毛を紙で回収する、という現象に対して何が効いていて何が効いていないかを調べるためのものです。

その結果「効果あり」とされた「紙の種類」「水温」のうち、「紙の種類」は我々が狙ってコントロールできますが、水温はふつうコントロールできません。
どんな水の状態だろうが立ち向かわなければならないのです。

昔、ある偉い人が「技術者は原因追究をやめよ」といったそうです。
言葉が引用されすぎて一人歩きしている感もありますが、確かにそうかもしれません。
「風呂にすね毛が浮いている」というのもある意味「不具合」ですが、世の中のいろいろな製品で日々「不具合」が発生します。
そこで技術者の方々(ワタクシも含め)は苦労して「どうしてこうなったんだろう」と調べます。

その結果原因がわかったとしても「そのパラメータ変えられないよ」となることもしばしば。
今回のケースだと「水温」がまさにそれですね。

原因がわかったら次は「対策」つまり「その不具合を起こさないようにする」活動に移ります。
このときには、コントロールできるものとできないものをハッキリ分ける必要があります。
コントロールできるものを最大限活用して、コントロールできないものによる「バラつき」をなくすという思想が重要です。

実はこれ「品質工学」あるいは「タグチメソッド」の思想につながるのですが、その話はおいおい。
今の段階でみなさまに意識していただきたいのは

「原因追究」と「対策設計」は違う
(ヘタすると両者が相容れない状況になっちゃう)

ということです。今回はすね毛問題でしたが、技術に限らず人生?のあらゆる問題に通じる考えです。
(妻の機嫌が悪い原因を調べたが、それは自分にはどうすることもできない理由だった、とか)

「実験編」はここまでです。
勉強が嫌いな方はここまでで止めておきましょう。

次の「理論編」では今回の実験のベースにある「実験計画法」の解説をしていきます。
さらにその次の「発展編」では実験計画法からさらに進め、「タグチメソッド」に突っ込んでいきます。

両者とも(特に後者)、ワタクシが以前勉強したときにいまいちとっつきにくいと感じた内容です。
なんとか頑張ってみましょう!



はっぴぃ理系らいふ、いぇい
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ キミモナカマニナロウゼ
   

【文責 べじぱみゅ】